私は既に狂っている(いちか)
- STORY ARTFES
- 2021年10月18日
- 読了時間: 2分

作品タイトル:私は既に狂っている
ジャンル:イラスト
制作技法:Clip studio pro & ペンタブ
制作年:2021年
解説:”深海”のイメージでブルーを基調に、ピンクを組み合わせてレトロな雰囲気を持たせました。さわやかなものというよりは、表現したいけど様々な妨げによりなかなかできないものであったり、世間に自慢はできないけど自分の中では誇りに思っていること、美しいと思うことなどを詰め込みました。ブルーとピンクはトランスジェンダーのフラッグカラーとしても使用されていて、思い入れのある色使いです。
アーティスト略歴
名前:いちか
略歴:大学卒業後、高校の教諭として府立学校に7年勤め、その中で戸籍・名前の変更を経て、本当にやりたかったことを見つめなおし、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのクルーに転職。2年勤めたのち、現職場に再転職した。現在は期間限定のイベントなどを製作する会社に勤めている。
インタビュー後記
全身にタトゥーが彫られたタバコを吸う人物...背景の電車は、紙のテクスチャーを重ねて質感が変えられていて、まるで外は別世界のようだ。
加えて左端に意味深な英文。
このブルーとピンクの空間の中にたくさんのこだわりが詰まっているのは一目瞭然。
インタビューを通してこのタイトルの意味を理解する。
ー昔は周りと価値観の合わない自分を”狂っている”と思い悩んでいたが、
今はその狂っている自分を受け入れているーと。
この絵の人物が中性的に見えるのは、トランスジェンダーである作者自身を投影しているから。
ちなみに、後ろの電車の絵は作者の好きな電車103系らしい。
自分の全てを詰めこんだ本作品について語る作者は、とても嬉しそうだった。
どんな自分をも受け入れられていないと、描けないかっこよさと美しさ。 この作品を完成させた時の作者の表情も、きっとこの絵に映る彼女のような満足した笑顔だったにちがいない。
部屋に飾りたい。ポストカードにしたい。Tシャツにしたい。そばに置いておきたい絵。観てたら元気になれるし、この絵の人と一緒なら怖いものなんてないって思えそう。